有害物質が作業場に拡散する前に、その有害物質の出る局所に排気装置を設置し、集中的に換気する排気方法を、局所排気といいます。有害な空気を吸い込むと、排気装置内の空気清浄装置がそれを処理して、排出するという仕組みです。
局所排気装置はその設置方法によって、密閉タイプの「囲い式」、有害物質の近くに設置する「外付け式」、室内の気流を利用して有害物質を吸引する「レシーバー式」の3種類に分類されます。
有害物質の出る作業場を、空気を吹き出す「プッシュフード」と、気流を吸い込む「プルフード」で挟み込んで換気する排気方法を、プッシュプル換気といいます。
プッシュフードからプルフードへ気流の流れを使って換気するため、作業性を損なうことが少ないのが特徴です。
プッシュプル換気装置はその設置方法によって、作業場ごと壁で囲む「密閉式」と、壁で囲わずに換気装置を設置する「開放式」の2種類に分類されます。
全体換気
外から作業場内に空気を取り込み、作業場の有害物質の濃度などを無害なレベルまで下げることによって換気する排気方法を、全体換気といいます。
また、濃度を下げるという手段をとることから、希釈換気装置とも呼ばれます。全体換気装置はその換気方法によって、「送気」、「排気」、「送排気」の3種類に分類されます。
ほかの換気装置と異なり、排気処理ができないのが難点ですが、設備・運転がローコストで行えるのが利点です。
空気中に含まれる有害な粉塵を、掃除機のように空気ごと吸い込んで処理する機械を、集塵機といいます。
集塵機は換気方法ではありませんが、作業場の空気中に飛散する有害物質を取り除くという点で、排気処理の一つであるといえるでしょう。
また、集塵機は掃除機とは異なり、水や水分を含む粉塵も吸引できるのがポイントになります。吸い込む物体に応じて、「乾湿両用機」と「乾式専用機」の2種類に分類されるので導入の際には注意しましょう。
「排気装置」は”導入して終わり”
ではない。
対応範囲の広いメーカーを
頼れば失敗なし
換気の種類を理解しても、作業現場に適した排気装置を選ぶには、メーカーとの打ち合わせやテストが必須になってきます。
そのため、メーカーを選ぶ際には、製品の性能だけでなく、そのサポート面に注目して選ぶのがおすすめです。
導入サポートはもちろん、必要書類の届出代行、自主点検といったアフターメンテナンスも徹底して行うメーカーに相談して、作業現場に合った排気装置を導入しましょう。