ここでは、局所排気装置とクリーンベンチの違いについて紹介します。
クリーンベンチは、衣類に付着したごみ・ホコリ・環境微生物などが製品に混入しないように、ろ過された空気を作業スペースに吹き付ける作業台です。
机のような形状をした作業台には囲いが付いており、余分なものが付着してほしくない対象物を作業台の上で取り扱います。
高性能なHEPAフィルタ(またはULPAフィルタ)を通して不純物が取り除かれた空気のみが対象物に当たります。作業台はJIS規格であるJISB9922:2001によって試験方法や測定方法が規定されています。※
一般的な作業台タイプのクリーンベンチよりもコンパクトなタイプです。作業台の上に置いて使える卓上型タイプは、細かい作業に適しています。
微生物などを取り扱う際に適したクリーンベンチです。清浄な空気を機器内に流し、ベンチ内に取り付けられた吸気口から吸い込んで循環させることによって、クリーンベンチ内や作業者への飛散を防止します。
向かい合わせでの作業を可能にする両面空きのタイプです。清浄化された空気を流し、覆いも設けられているので、ベンチ内部の空気を外に逃がしづらい設計です。
クリーンベンチと似ている製品に「ドラフトチャンバー」「安全キャビネット」があります。
ドラフトチャンバーは機器内に入った空気を吸い込んでフィルターで清浄化し、ダクトから外に排出する機器です。安全キャビネットは容器の中にきれいな空気を送りながら、汚れた空気を同時に吸気口へ採り込んでフィルターで清浄化し、排気する機器です。
クリーンベンチは清浄化した空気を機器の中に送り込みますが、ドラフトチャンバー・安全キャビネットは内部の空気を清浄化して排出する機能が搭載されています。
局所排気装置は、有毒な成分を含んだガスをダクトで直接吸い込んで清浄化し、排出する装置です。
作業台にダクトが取り付けられ、ダクトに繋がった先に空気をきれいにする装置と排出口が取り付けられています。工場や作業場などに設置でき、大型の装置から持ち運び可能なコンパクトタイプまでが揃っています。
覆いが付いていないものが一般的ですが、覆いが設けられているものは「ドラフトチャンバー」という名称で知られています。
クリーンベンチはきれいな空気を内部に送る装置で、有害な空気を吸い込むものではありません。それに対して、局所排気装置は排気がメインの装置であるため、有害物質やほこりなどが多く飛散する環境に適しています。
局所排気装置はクリーンベンチと目的が異なるため、使用用途や環境に適した装置を選ぶことが大切です。クリーンベンチとドラフトチャンバーの違いも確認し、環境によっては複数の装置を組み合わせる方法も検討してみてください。
当サイトではおすすめの設置業者をまとめているので、そちらも参考にしてみてください。
それぞれ排気装置の設置場所が違えば、機器の導入の際に検討するべきポイントも変わってきます。ここでは「製造現場」「研究現場」「塗装現場」それぞれの設置場所に合わせて、排気装置メーカー3社をご紹介します。
導入を考えている場所と排気装置の特徴を見比べて、自社に合った排気装置選びの参考になさってください。