局所排気装置にはさまざまなサイズや形状が揃っていますが、なかには稼働に大量のエネルギーを使用するものもあります。
囲いがつけられた局所排気装置・ドラフトチャンバー(ヒュームフード)について、名古屋大学が行った調査では1日10時間の稼働で1台あたり1.3kWの消費電力が発生していました。
電力量料金を31円/kWhとすると、240日の稼働で約9万円の電気代が必要になることがわかります。
ここでは、局所排気装置の稼働に大量のエネルギーを必要とする理由と、省エネに役立つ対策について紹介します。
※参照元:名古屋大学「理系施設の省エネ診断結果からみた利用の詳細と省エネ手法」(http://ems.ou.u-fukui.ac.jp/smanage/nagoyak/science_facilitie_saving_energy.pdf)
局所排気装置は、有害物質を含んだ空気を吸入して外に排出します。吸気・排気・空気を清浄化するプロセスに電気エネルギーを必要とします。
大型の装置ほど大量の電気を必要とします。工場のような広い空間では大容量の空気を入れ替えなければならないため、エネルギーの消費量が増えてしまうのです。
小型・中型の装置でも常時稼働や無停止の状態では吸気や排気を行うため、停止または風量調節などを行わなければエネルギーコストがかかります。
局所排気装置は室内の空気を吸い込んで屋外に排出する際、冷暖房をきかせた室温に合わせて給気を行います。この温度調節にもエネルギーを必要とするため、大容量のエネルギーが必要になります。
ドラフトチャンバータイプの局所排気装置に設けられる省エネ機能です。使用中、サッシの開閉に合わせて給排気の風量を制御し、省エネ効果が得られます。
装置の稼働状況に合わせた風量制御は、作業をしていない状態で発生するエネルギー消費を減らし、高い省エネ効果が期待できる仕組みです。
装置を使用していないあいだに換気量が不足した場合、室内排気モードに切り替えて換気量を確保する仕組みです。
省エネ効果を高めながら換気室内のエアバランスも整える効果が期待できます。
外気を給気して、室内空気の損失を抑える省エネ方法です。
局所排気装置は給気した量をすべて排気するため、給排気や温度調節にエネルギーを使います。外気を補給できるタイプは室内空気の流出を抑えられるため、空調された空気を排出しないぶん省エネ効果が得られます。
1日あたり数時間から24時間稼働させる局所排気装置は、電気代の削減が課題のひとつです。
省エネ対策としてさまざまな機能を搭載した装置を比較し、環境に適したものを検討してみてはいかがでしょうか。
当サイトではおすすめの設置業者をまとめているので、そちらも参考にしてみてください。
それぞれ排気装置の設置場所が違えば、機器の導入の際に検討するべきポイントも変わってきます。ここでは「製造現場」「研究現場」「塗装現場」それぞれの設置場所に合わせて、排気装置メーカー3社をご紹介します。
導入を考えている場所と排気装置の特徴を見比べて、自社に合った排気装置選びの参考になさってください。