ここでは排気装置に取り付けられる排気フィルターについて、特徴・役割や選定の際の注意点を紹介します。
排気装置に使用されているフィルターは、排気中に含まれる異物や塗料などを捕集し、外に漏らさないようにシャットアウトする機能があります。
排気装置は空気の入れ替えが必要な工場や建物の内部で稼働させますが、その際に有害な物質を含んだまま空気を外に出すことがないように、フィルターを取り付けて排気を行う方法が一般的です。
異物や粉じんのほかにも、近年では新型コロナウイルスのようなウイルスを取り除く、感染症対策用のアイテムとしても活用されています(ウイルスを捕集するもののため、殺菌効果はありません)。
フィルターの種類は、サイズ・色・形状・機能によって分けられます。「排気一般用」などと記載されているものは、特殊な環境にない一般的な排気装置に使われるスタンダードなタイプです。
形状はロール状やアコーディオン型などセットする場所に合わせて選べます。「塗料適応」「塗装ブース用」のように、塗料の捕集に適したタイプは塗料を扱う工場向けに作られています。
細かく物質をキャッチしたい場合は、性能が高い排気フィルターを選びましょう。捕集率はフィルターの性能に直接関わるもので、捕集率が低いものは物質がそのまま屋外に排出されてしまいます。
一例として、塗料ミストなどが捕集されずに屋外に出ていくとファンに付着し、装置の故障に繋がるおそれがあります。
塗料ミストの中には付着すると発火するものがあるため、塗料を扱う環境では可燃性のフィルターを使用しないでください。
少しでも火花が発生すると引火し、火災の原因になるおそれがあります。塗料のように自然発火を起こす可能性のある材料を使用する環境では、必ず難燃性のフィルターを使用しましょう。
排気フィルターは定期的に清掃し、付着した物質を取り除くようにしましょう。特に油煙や塗料ミストのように、落ちにくい汚れは早めに除去することが大切です。
フィルター自体は消耗品ですが、少しでも長く使い続けるためには1ヶ月に1回など、決められた間隔で清掃を行いましょう。汚れが大量に付着する施設や工場では、交換時期を逃さないように注意が必要です。
排気装置に取り付けるフィルターにはさまざまな種類があるため、排気中に含まれる物質に合わせて性能やサイズ、形状を選びましょう。
清掃の際には正しい手順でフィルターを取り外し、目に見えない物質も含めて付着したものを取り除きます。
フィルターが寿命を迎えたあとは新しいものに交換しますが、より性能の高いものを検討するなど、必要に応じてより良いフィルターを取り入れることも検討してみてはいかがでしょうか。
それぞれ排気装置の設置場所が違えば、機器の導入の際に検討するべきポイントも変わってきます。ここでは「製造現場」「研究現場」「塗装現場」それぞれの設置場所に合わせて、排気装置メーカー3社をご紹介します。
導入を考えている場所と排気装置の特徴を見比べて、自社に合った排気装置選びの参考になさってください。