局所排気装置には、性能要件として「抑制濃度」があります。ここでは、局所換気装置の抑制濃度について詳しく解説しています。抑制濃度の測定方法や測定するときのルールについてもまとめていますので、参考にしてみてください。
抑制濃度とは、有害物の発生源周辺の濃度が(特定化学物質障害予防規則)などに定められた値以下であれば、作業者のばく露濃度を安全水準に保てるとして定められた濃度です。濃度測定は局所排気装置のフードの外側や開放面から一定距離の所定の位置で行われます。濃度測定の結果、有害物濃度が抑制濃度以下であれば、安全水準が保たれるということになります。
抑制濃度は、一部を除く特定化学物質と石綿、鉛に定められています。抑制濃度の値は、厚労大臣の告示として示されており、許容濃度やばく露限界値などを参考に決められたものです。
抑制濃度の測定を行う際は、同時に局所排気装置の風速も測定します。測定を行う対象物質の発生源付近と、そこから所定の距離(0.5m~1m)離れた位置で測定を行います※。その際、10分間対象物質を採取し、分析を行います。
抑制濃度の結果に問題がなければ、局所排気装置の定期点検の際に風速を測定し、その結果で風速に変化がなければ、2回目以降は抑制濃度を測定する必要はありません。
※参照元:尾北環境分析株式会社_【局所排気装置】抑制濃度について(https://www.bkb.co.jp/topics/suppression-concentration-test-flow/)
抑制濃度の測定にはルールがあります。まず、測定は1日について測定点ごとに1回以上行わなければなりません。また、測定を行うタイミングは、作業が恒常的に行われている時間に行います。ただし、作業開始後1時間を経過しない間は除きます。
測定点における空気の採取時間は10分以上継続する必要がありますが、直接捕集方法または検知管方式による測定機器を用いる場合には、その限りではありません。分析方法については、作業環境測定基準によります。
参照元:[PDF]厚生労働省_抑制濃度と管理濃度との関係(https://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/06/dl/s0610-8f.pdf)
抑制濃度は、有害物質の発散減のそばの測定データから、決められた濃度以下であればばく露しにくいと設定された濃度です。
特定化学物質や石綿、鉛などを取り扱う事業者は、作業者が有害物質によってばく露しないように対策を行わなければなりません。安全な作業環境のためにも、抑制濃度を正しく把握しておくことは大切です。抑制濃度について正しい知識を得て、ルールに則って測定・対策を行いましょう。
それぞれ排気装置の設置場所が違えば、機器の導入の際に検討するべきポイントも変わってきます。ここでは「製造現場」「研究現場」「塗装現場」それぞれの設置場所に合わせて、排気装置メーカー3社をご紹介します。
導入を考えている場所と排気装置の特徴を見比べて、自社に合った排気装置選びの参考になさってください。