ここでは、排気装置の設置場所に関するさまざまな条件や、設置場所の注意点について紹介します。
排気装置の設置場所は、基本的に隔離された作業場の内部に設置します。作業場が狭すぎる場合は外への設置を検討しますが、装置の清掃やフィルターの交換の際に粉じんが外へ飛散しないような環境が理想的です。
装置の周辺環境も重要であり、人の通行が少なく、集合住宅やホテルなどが近接していない場所を選ばなければなりません。
排気の際に重要なものが給気です。屋外へ空気を排出する場合、同じ量の給気が必要になります。排気前の汚染空気が滞留しないように、通風性が確保できる環境も重要です。
たとえば、出入り口の付近に排気装置を設置すると装置に取り入れた新鮮な空気がそのまま排出され、汚染空気がその場に留まってしまいますので、出入り口以外の場所に設置します。
配管や排気装置を設置する際、ダクトの接続や給排水、電気工事などさまざまな付帯工事が必要になります。
排気装置は一度設置してしまうと移設が難しくなるため、慎重に図面を確認しながら計画することが大切です。装置の設置・メンテナンス・交換がスムーズに行えるよう、配管や配線が複雑にならない場所を選びましょう。
通風性の確保とあわせて、空調の影響にも注意が必要です。たとえば排気を行うことですきま風の風量が増えると、館内や室内の空調の効き目が悪くなる場合があります。
給気と排気のバランスに注意することはもちろんですが、空調の効率を妨げてしまわないように配慮しましょう。
排気装置の設置場所は、空調やその他の設備を妨げない適切な場所にしなければなりません。建物や室内の図面を見ながら、設置にふさわしい場所を事前に絞り込んでおく必要があります。
設置場所が見つからない場合は屋外への設置を検討するなど、環境に合わせた配慮が必要です。
排気装置の設置については、ノウハウをもつ専門の業者に現地調査を依頼しましょう。
専門の業者からは、適切な設置場所の提案やアドバイスのほか、配管に関する相談なども行えます。役所への相談や届出についてもアドバイスがもらえますので、それらを参考に排気装置を導入することをおすすめします。
局所排気装置などは、労働安全衛生法により設置・移転・変更・廃止・転出について事前に労働基準監督署へ届け出る必要があります。
届け出は義務のため、必ず決められた日程までに書類を提出しましょう。提出する書類には作業計画や装置の図面、配置図などが必要になります。
設置場所が適切でなければ届け出が承認されない可能性もあるため、事前によく確認のうえ、設置場所を選定しましょう。
排気装置は、周辺環境や住民・通行人の害にならない場所を選んで取り付ける必要がありますが、室内や建物の内部でも空調や気流の影響を考慮しなければなりません。
初めて排気装置を設置する場合は、図面やその他の条件から適切な場所を選ぶことが難しい可能性がありますので、ぜひ専門の業者にご相談ください。
それぞれ排気装置の設置場所が違えば、機器の導入の際に検討するべきポイントも変わってきます。ここでは「製造現場」「研究現場」「塗装現場」それぞれの設置場所に合わせて、排気装置メーカー3社をご紹介します。
導入を考えている場所と排気装置の特徴を見比べて、自社に合った排気装置選びの参考になさってください。