塗装ブースは、塗装のために仕切られた空間であり、局所排気装置に分類されます。本記事では、乾式塗装ブースの概要や事例について解説します。
乾式塗装ブースは、塗料ミストをフィルターで直接捕集します。湿式塗装ブースと比較し、導入費用が安価で、設備のサイズがコンパクトなため、省スペースで設置できます。また、メンテナンスはフィルター交換のみで済むため、管理が容易です。
一方で、外部へ塗料が飛散しやすいというデメリットがあるため、製品選びでは塗料の飛散を抑えたタイプを選ぶことが重要です。また、1日の塗料使用量や塗料の種類を考慮して選ぶことが推奨されます。乾式塗装ブースは、塗料の使用料が少ない現場や、周りに住宅がない現場に適しています。ただし、フタル酸塗料を使用する現場では、乾式塗装ブースは適していません。フタル酸塗料は塗料のカスが反応熱で発火する恐れがあるため、湿式塗装ブースの利用が適しています。
以下のページでは、業務用塗装ブースについて詳しく解説しています。塗装ブースの設置を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
塗料ミストをフィルターに直接吸着させて、オーバースプレーを回収する排気装置です。用途に合わせて開口高の広いタイプや、コンパクトで移動が可能なタイプなどを用意しています。また、ジャバラ品などの特注製品にも対応しています。短納期かつ低コストで導入できることも特長です。
既成品のほかに、受注生産にも対応可能です。特殊加工紙を波状にデザインしたウェーブフィルターを使用するタイプや、乾式ブースと蛇腹式フードを組み合わせた大型タイプ、ゴミやホコリの侵入を防ぐ密閉型タイプも提供可能です。
参照元:パーカーエンジニアリング株式会社公式HP(https://www.parker-eng.co.jp/product/standard/dry/)
囲いフードが塗料ミストの飛散を防ぐ乾式塗装ブースです。ロールフィルター付きで、塗料ミストの捕集効果を高め、排気フィルターを長持ちさせます。防爆機器仕様やサイズの変更にも対応しています。オプションで、埋込照明を設置できます。
参照元:大塚刷毛製造株式会社公式HP(https://www.maru-t.co.jp/uptfil/catalog/2001/c1690038635.pdf)
特殊構造の2段フィルターを備えた乾式塗装ブースであり、高い捕集効果を発揮します。塗料ミストを逃さず回収します。2段のフィルターのうち、一次フィルターにはV型バッフル板を採用し、塗料ミストの大部分をここで捕集します。二次フィルターは、V型バッフル板で捕集できなかった塗料ミストをろ過して捕集します。水を使用しないため凍結の心配がなく、工場の二階など排水処理が困難な場所にも設置できます。用途に応じたオプション製品も用意されています。
参照元:アネスト岩田株式会社公式HP(https://pr.mono.ipros.com/anest-iwata-compressor/product/detail/2000465119/)
乾式塗装ブースは、湿式塗装ブースと比べて設備費用を抑えられるほか、コンパクトなタイプもあり、導入しやすいという特長があります。用途に応じた特注対応が可能な場合もあるため、自社の運用に適した乾式塗装ブースを選べます。
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それぞれ排気装置の設置場所が違えば、機器の導入の際に検討するべきポイントも変わってきます。ここでは「製造現場」「研究現場」「塗装現場」それぞれの設置場所に合わせて、排気装置メーカー3社をご紹介します。
導入を考えている場所と排気装置の特徴を見比べて、自社に合った排気装置選びの参考になさってください。