本記事では、開放式のプッシュプル換気装置の概要や密閉式との違い、製品情報などについて解説します。
開放式のプッシュプル換気装置は、外部の新鮮な空気を室内に「プッシュ(押し込む)」して、有害物質を含む汚れた空気を「プル(引き出す)」する換気システムです。開放された空間に設置する点が特徴で、外部の空気を取り入れる環境で使用します。常時外部の空気が取り込まれるため、常に室内の空気をよい状態に保つことができます。
これは、密閉式が密室への設置に適し、外気の影響を受けずに稼働できるのに対して、開放式は外部の空気を利用する必要があるともいえます。開放式は換気性能が外の風や気温、湿度に影響されやすいシステムです。温暖で乾燥した地域では、湿度調整が容易になる場合があります。
開放式は密閉式と比較して構成がシンプルなので、低コストで導入できるという利点もあります。メンテナンス面でも密閉式より開放式のほうが手間がかかりません。自然の風を利用して換気するため、ファンを稼働させる必要がなく、エネルギー消費を抑えられます。その結果、ランニングコストも削減可能です。
プッシュプル換気装置については、以下のページでも詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
プッシュフードから空気の流れを作り、プルフードから有害物質を含む空気を排気する換気装置です。局所排気装置よりも少ない風量で排気できるため、作業環境に影響を与えにくい設計になっています。室内全体の空気を入れ替えられるので、作業場だけをパーティションなどで仕切らずに、広い範囲で換気することが可能です。
参照元:興研株式会社公式HP(https://www.koken-ltd.co.jp/product/clean/push/)
特定化学物質や、有機溶剤の曝露を防ぐ開放式のプッシュプル換気装置です。医療現場での使用に向けて開発された製品で、換気機能のほか、ビデオカメラによる動画記録機能や、モニタリング機能を搭載しています。必要な排気風量を確保していれば、排気ファンユニットを使用せずに空気を入れ替えられます。コンパクトな設計ながら、有害物質の除去性能が優れており、動作音が小さい点も特長です。
参照元:TORnex公式HP(https://www.push-pull.jp/)
塗装環境の悪い部分を改善したという顧客からの相談により、開放式のプッシュプル換気装置を設置した事例です。生産ラインの一部に塗装ブースを設けたいという希望があったため、有効スペースを活用して、プッシュプル換気装置の設置を提案。制限のあるスペースに設置しなければならなかったため、設計の苦労がありましたが、規定の基準を満たすことに成功しました。
参照元:株式会社吉田工業公式HP(https://x.gd/q8Mc1)
開放式のプッシュプル換気装置は外気を利用した換気システムです。エネルギー消費を抑え、初期費用やランニングコストを削減できる場合がありますが、外気の影響を受けやすいという課題もあります。使用する場所や目的によって、密閉式と開放式のどちらを選べばよいかを検討してください。
当サイトでは、排気装置のメーカーごとに製品情報を掲載しています。実際の設置事例や基礎知識も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
それぞれ排気装置の設置場所が違えば、機器の導入の際に検討するべきポイントも変わってきます。ここでは「製造現場」「研究現場」「塗装現場」それぞれの設置場所に合わせて、排気装置メーカー3社をご紹介します。
導入を考えている場所と排気装置の特徴を見比べて、自社に合った排気装置選びの参考になさってください。