本記事では、吊り下げ型の排気装置について、用途やメリット・装置のタイプを詳しく解説します。
吊り下げ型排気装置とは、天井から吊るして換気や排気を行う装置です。一般的な排気装置は床面や壁面への設置(据え置き)式ですが、吊り下げ型はそれらのスペースがない場合に、天井を設置箇所として、装置を取り付けることができます。
主な用途は、空気中に含まれる汚染物質や臭気の除去と清浄化です。有害物質や有害ガス、臭気の原因となる物質をすばやく吸い込んで吸着・分解します。
吊り下げ型にすることで、床面や壁面を使わずに装置を稼働させられるため、作業空間を有効に活用できます。作業通路や設備の設置スペースを確保しやすい点も、吊り下げ型の利点です。
空気や熱が上昇する特性を活用することで、天井付近で効率的な捕集が行われる場合もあります。熱や空気の流れによって上昇する物質を天井付近で効率的に捕集し、拡散や放出を防ぐためです。清浄化された空気を空間内に均等に行き渡らせ、安定した換気を促す点も利点の一つとされています。
局所排気装置はスポット排気としての使い方にとどまりますが、吊り下げ型排気装置は空気中に浮遊するさまざまな物質を捕集し、清浄化した空気によって換気を行うため、全面的な排気が行えます。
ドラフトチャンバーは、有害物質や粉じんが発生する環境で、発生源で有害物質を捕集し、排気するための局所排気装置として用いられます。クリニックや研究室などに置かれ、作業者を保護する目的で使用されます。
参照元:MedicalExpo「歯科技工所用ドラフトチャンバー GS120」(https://www.medicalexpo.com/ja/prod/aries-medical-srl/product-71384-864326.html)
集塵機は、健康被害をもたらす微細な粒子や粉じん、その他の有害物質を集めて空気を清浄化する機器です。床上への設置が多くみられますが、一部の製品は吊り下げ施工も可能です。空気中の粉じんや微粒子の除去を目的とした装置として利用されています。
参照元:(pdf)厚生労働省「粉じん障害防止対策について」(https://jsite.mhlw.go.jp/hokkaido-roudoukyoku/content/contents/001679609.pdf)
排気ユニットは、クリーンルームなどで使われている装置や設備機器の駆動部に取り付けて、空気を清浄化し排出する装置です。ちりやほこりに加えて、高温の蒸気やウイルスを対象とする機種も存在します。ホースとファンを組み合わせて排気ガスを室外に排出する排気ホースユニットなどが挙げられます。
参照元:株式会社ヤマダコーポレーション「簡易型排気ホースユニット」(https://product.yamadacorp.co.jp/products/exhaustoutlet/post-4.html)
吊り下げ型の排気装置は、床や壁を広く使いたい作業環境において、天井を設置場所にできる装置です。作業スペースに余裕がない場合や省スペース化を図りたいときに効果的で、空気中を浮遊する軽い物質を効率的に捕集します。
当サイトでは、排気装置メーカーごとに製品情報を掲載しています。実際の設置事例や基礎知識も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
それぞれ排気装置の設置場所が違えば、機器の導入の際に検討するべきポイントも変わってきます。ここでは「製造現場」「研究現場」「塗装現場」それぞれの設置場所に合わせて、排気装置メーカー3社をご紹介します。
導入を考えている場所と排気装置の特徴を見比べて、自社に合った排気装置選びの参考になさってください。