ここでは、集塵機の内部に発生する圧力差(差圧)とはどのようなものなのか、なぜ機械の中で差圧が変化するのかについて紹介します。
差圧とは、集塵機の入口側と出口側で生まれる圧力差のことです。集塵機を稼働させてフィルターの中を空気が通り抜けたとき、空気の上流と下流で圧力差が生じます。
新品の集塵機でも開口部やフィルター自身による抵抗がみられますが、その状態からさらに圧力差が大きくなるほど空気の流れが妨げられるため、フィルターに異物や粉じんが溜まっていると考えられます。
差圧が大きい状態(フィルターに異物や粉じんが溜まった状態)を放置しているとフィルターの寿命に影響するおそれがあります。集塵性能を維持するためには、差圧を確認して清掃やメンテナンスを行わなくてはなりません。
差圧は空気の流量や流速が減退するため、エネルギーに損失が生まれるという意味で「差圧損失」と呼ばれます。差圧損失が大きいほど集塵機の性能が正しく発揮されていないと考えられ、清掃やメンテナンスをしなければなりません。
フィルターを搭載している集塵機は、フィルターの汚れにかかわらず空気が流れていく上流と下流で差圧が発生します。基準値から少し差がある程度では許容されますが、値が大きくなるほどフィルターに物理的な変化が起きていると考えられます。
差圧が下降する場合は、圧力が正しく計測されていないということでフィルターに漏れや破損が起きている可能性があります。
集塵機の差圧は、フィルターの汚れやトラブルの有無にかかわらず発生します。値が大きく上昇・下降した場合はフィルターを含めて点検や清掃を行いましょう。差圧が変化する原因は次のとおりです。
フィルターに溜まった汚れが適切に清掃されていないと、こびりついた汚れはそのまま蓄積していき、空気が通り抜けにくく差圧が大きくなります。
パルスジェット式のように自動で汚れを払い落とせる構造でも、適切な圧力がかけられていない場合はフィルターが十分に清掃されないため、差圧の上昇につながります。フィルターに問題や異常がないか定期的に確認することが大切です。
吸い込んだダストの中に水分が多く、粘性の高いダスト層が形成されたときも差圧値が大きくなります。フィルターが寿命を迎えたり、何らかの原因で破損や故障したりするときにも差圧値が大きく変化します。
集塵機は空気中に浮遊するチリや粉じんをまとめて吸引する設備ですが、正しく稼働させるためには差圧を確認し、適切なタイミングでメンテナンスを行う必要があります。当サイトではおすすめの設置業者をまとめているので、そちらも参考にしてみてください。
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