ここでは、排気装置における排風機(ファン)の役割と設置にあたり注意したいポイントを解説しています。
排気装置に設けられる排風機(ファン)は、フードから空気を吸い込んで排気口から空気を排出する動力源です。送風機と呼ばれることもあります。排気装置に取り込まれた空気は、ダクトを通過するときにエネルギーを失います。これを圧力損失といいます。圧力損失分の圧力差を設けないと空気は流れません。具体的には、フードからファンの間(マイナス圧)とファンから排気口の間(プラス圧)に圧力差を設ける必要があります。この圧力差を生み出す設備が排風機(ファン)です。
排風機(ファン)は、空気の流れにより軸流式と遠心式などに分かれます。軸流式は軸方向から風を吸い込んで軸方向へ風を吐き出す方式、遠心方式は遠心方向へ吹き出した風を集めて1つの出口から排出する方式です。遠心方式には、高圧を出せる強みがあります。したがって、局所排気装置で多く用いられています。軸流方式は高圧を出しにくいため、圧力損失が生じにくい設備で多く用いられています。排風機(ファン)は、排気装置で生じる圧力損失などを計算して選択することが重要です。
排風機(ファン)の設置場所にも注意が必要です。空気清浄機を設置する場合、排風機(ファン)は清浄化された空気の通り道に設置します。空気清浄機は、有害物質を含む空気を清浄化する装置です。したがって、排気装置に取り込まれる空気は、フード・吸引ダクト・空気清浄装置・排風機(ファン)・排気ダクト・排気口の順で大気へ排出されることになります。
排風機(ファン)は、運転時に騒音を生み出すことがあります。騒音対策も検討しておきたいポイントです。騒音の原因はさまざまですが、部品が緩んでいることやダクトとの共振、気流の変化などが考えられます。対策は原因により異なります。振動や共振はダクトの形状を変更することなどで抑えられる可能性があります。
もちろん、防音カバーや防音壁を設けるなどの対策も有効です。あるいは、排気口の向きを調整することでも、騒音を軽減できることがあります。騒音のリスクを理解して、事前に対策を講じておくことが大切といえるでしょう。
排風機(ファン)は、フードから空気を吸い込んで排気口から空気を排出するエネルギーを生み出す動力源です。圧力損失分を補うため必要になります。排風機(ファン)は、空気の流れにより軸流式と遠心式に分かれます。局所排気装置では、高圧を出しやすい遠心式が多く用いられています。設置にあたっては、圧力損失分を補えるものを選ぶことが重要です。また、騒音のリスクなどにも注意しなければなりません。
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それぞれ排気装置の設置場所が違えば、機器の導入の際に検討するべきポイントも変わってきます。ここでは「製造現場」「研究現場」「塗装現場」それぞれの設置場所に合わせて、排気装置メーカー3社をご紹介します。
導入を考えている場所と排気装置の特徴を見比べて、自社に合った排気装置選びの参考になさってください。