ここでは、重力集塵機について、仕組みや用途・製品事例を紹介します。
重力式集塵機とは、吸い込んだ空気の中の粉塵を専用の室内で自然に沈降させることで汚れを取り除く集塵機です。
風力などを使って粉塵を空気ごと取り込んだのち、内部で粉塵とそれ以外の種類を分離します。粉塵に重力がかかることで自然に沈降し、集塵室に汚れが蓄積していく仕組みです。
サイクロン式集塵機のように大きな気流を発生させる必要はありませんが、流速を遅くする必要があるため装置自体の容積を大きく作らなければなりません。
空気中に含まれる粒子を分離・捕集しますが、100μmより大きな粒子にのみ有効で、予備的な集塵や一次処理のための集塵に使われることがあります。
集塵機は集塵するものの粒径(サイズ)と、現場の捕集率の要件に応じて処理方式を選びます。重力式の場合、粒径が100μm以上の粒子に対応していますが、100μm以下の粉塵が含まれていない現場では重力式が選択できます。
重力式集塵機を一次処理のために使用する方法もあります。ひとつの集塵機に複数の機能を組み合わせたり、複数台の集塵機を接続して一次処理に重力式集塵機を使用する方法です。
一次処理で粒径の大きなものを集め、残った細かな粉塵などは二次処理工程に回します。いくつかの工程を経ることで、吸い込んだ空気が段階的に清浄化され、汚れを効率的に取り除けます。
重力式集塵機を別置きで使用できる産業用ブラスト装置です。
扉を開け、中にワークを置いて集塵しながら作業ができるため、運用を効率的に行えます。台車テーブル式・両横扉・前扉タイプをラインナップし、大型ワークに対応したモデルも用意されています。
内部ではサイクロン作用によって研磨剤と粉塵粒子を分級し、ワークの加工面を安定させた状態に保ちます。研磨剤を再利用できるため、コスト削減につながります。
シリーズ製品として豊富なサイズ・仕様が揃っており、研磨剤はセラミック・ガラス・樹脂系・金属系に対応しています。
参照元:株式会社不二製作所(https://www.fujimfg.co.jp/blast/sg-machine/)
高い集塵能力を備えたサイクロン式サンドブラスターです。
標準タイプとボックス扉タイプの2種類は、どちらも視認性の高いワークスペースを内部に搭載。照明はワークスペースの天井部に埋め込まれており、突起物を排除し、視認性を向上させています。
キャビネット後部に一体化された集塵機で、効率的にワークの粉塵を除去。ワークスペースを広くとりながら、集塵機自体はコンパクトに設置できます。
参照元:カーベック(https://www.carvek.jp/products/blaster/blasty1000)
重力式集塵機は、特定の用途や条件下で効果を発揮する装置ですが、処理対象となる粉塵の粒径や必要な捕集効率、設置環境などを総合的に考慮し、最適な集塵方式を選択することが重要です。
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