ここでは集塵機の性能について、数値の意味や性能を比較する際に確認したい注意点を紹介します。
集塵機の出力数値は、原動力であるモーターの性能を示す値です。
数値が大きいほどモーターの性能が高いことを意味し、単位はW(ワット)で表されます。
集塵機の風量数値は、1秒間に吸い込める空気の体積を示す値です。
吸い込み断面積と風速(フード面)を掛け、さらに60秒を掛けることで、簡易的に集塵のための吸い込み風速を算出できます。単位は㎥/min(リューベ・パーミニッツ)で表されます。
【必要風量と集塵機の選び方】
集塵機は必要風量を求めてから、それに合う機種を選びます。ダストの種類や発生源を確認したうえで、フードの種類、設置場所、および設置方法を決定します。その際、発生源の近くで集塵機を稼働させられるように考慮することが重要です。
フードの型式に合わせて「制御風速」が定められているので、囲い式または外付けのフードに対する制御風速を確認し、必要風量を計算して数値を求めます。
集塵機は、高圧型と風量型の2種類に分類されます。
高圧型集塵機は静圧が高く、風量が小さいのが特徴です。近距離にあるダストの吸引に適しています。一方で、空中に飛散している粉塵の吸引には向いていません。
風量型集塵機は静圧が低く、風量が大きいのが特徴です。複数方向から一度に風を吸い込み、飛散した粉塵を効率的に集めるのに適しています。一方で、近くにあるものの吸引には向いていません。
※静圧:抵抗に勝つ風の力を指します。
集塵機を選ぶときは、風量の計算が重要です。はじめにダストの種類・量を確認し、フードなどを決定します。次にダストから集塵機の吸込口までの距離を計測し、そこから必要とされる風量を計算します。
必要風量は集塵機がどれだけ空気を吸い込めるかを示す指標で、必要風量をQとすると、60Vc(10X2+A)の式で計算できます。風量が大きい集塵機は、多量の空気を吸い込むことで効率的に集塵を行えます。
集塵に必要とされる容量とは、吸い込んだダストを蓄積できる量を指します。
集塵容量が大きいものは、多量のダストを収集できるため、ゴミの処理頻度を減らせます。広い作業場での集塵や、一度に大量のダストを捕集する環境では、15L以上の容量が推奨されます。
風量型と高圧型の集塵機の特徴は、次のページを参考にしてください。
集塵機は、サイズや形状、機能のほかに風量と容量が重要な比較ポイントです。
吸い込む空気の量が少ない場合、高い集塵性能を持つ機種を選ぶ必要はありません。一方、大規模な工場や作業場、またはダストの発生源から吸込口までの距離が長い場合には、高い集塵性能を持つ機種を選択する必要があります。
設置環境や捕集するダストの特性、量に合わせて必要風量と必要容量を計算し、適切な機種を選定することが大切です。
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