木材加工や研削工程で発生する木くずや粉じんを放置すると、さまざまな問題を引き起こします。微細な粉じんを長期間吸い込むことは、作業員がじん肺などの粉じん障害を患う原因になりかねません。また、周囲の設備や製品に木くずが堆積すれば、機械の故障や製品の品質低下を招くリスクもあります。作業者の健康と安全を守り、清潔で快適な作業環境を維持していくために、自社に合った排気装置の導入は不可欠な取り組みといえます。
工場内の空気をきれいに保つ設備には、主に局所排気装置と集塵機があります。局所排気装置は、有害物質の発生源近くにフードを設置し、作業に伴う粉じんや有害なガス(塗装工程で発生する有機溶剤など)を直接吸い込みます。吸い込んだ空気は、ダクトを通して屋外へと排出される仕組みです。
一方、集塵機は空気中に舞う粉じんを吸引し、内部のフィルターなどで粒子を分離・捕集する装置を指します。粉じんを取り除いた空気を再び室内に戻す、あるいは屋外へ排気することで、工場全体の空気環境を改善する役割を担っています。
排気設備を導入する際は、吸い込む物質の性質に合わせた機種を選ぶことが重要です。木工作業では「木くず」と「塗装による有機溶剤」の両方が発生します。木くずの回収には集塵機が、有機溶剤の排気には局所排気装置が能力を発揮します。用途に応じて両方の機能を持つハイブリッド機器を採用したり、別々の装置を併用したりするケースもあるため、効果的な選定には専門知識が求められます。
発生する粉じんの量や工場の規模に対して、十分な吸引能力を持つ機器であるかを確認しましょう。風量やダクトの圧損計算を誤ると、期待した効果を得られない可能性があります。また、現場のレイアウトに応じた配置計画も重要です。工場外に設置する大型据置型か、加工機ごとに後付けできる小型ポータブル型かなど、確保できる設置スペースに合わせて状況に合ったタイプを選択してください。
労働安全衛生法により、局所排気装置の新設時には労働基準監督署への事前の届出が義務付けられています。また、粉じん障害防止規則により、設置後も年1回の定期自主検査を行い、記録を保存しなければなりません(※)。法令を遵守するためにも、日々のメンテナンス性が高い機器を選ぶことを推奨します。
※参照元:e-Gov法令検索 労働安全衛生法/第八十八条第一項(https://laws.e-gov.go.jp/law/347AC0000000057#Mp-Ch_10)※参照元:粉じん障害防止規則(https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=74107000&dataType=0&pageNo=1)
木工所における排気装置は、従業員の健康を守り、製品品質を維持するために欠かせない設備です。自社の環境に合った機器を選ぶには、木くずや有機溶剤といった発生源の状況を正確に把握しなければなりません。場合によってはハイブリッド設備の導入や複数機器の併用を検討する必要があります。確実に効果を出すためにはダクト配管の設計や機器選定のノウハウが求められるため、まずは排気装置のメーカーへ問い合わせて相談してみてはいかがでしょうか。
それぞれ排気装置の設置場所が違えば、機器の導入の際に検討するべきポイントも変わってきます。ここでは「製造現場」「研究現場」「塗装現場」それぞれの設置場所に合わせて、排気装置メーカー3社をご紹介します。
導入を考えている場所と排気装置の特徴を見比べて、自社に合った排気装置選びの参考になさってください。