ここでは、局所排気装置にも使われている軸流式ファン・遠心式ファンについて、仕組みやメリット・デメリットを紹介します。
軸流式ファンは、羽根の端から空気を吸い込んで後方から空気を吐き出す換気装置です。
ファンの外側にフレームが取り付けられ、モーターを搭載しており、羽根を動かして風を生み出します。非常に小さなサイズやボイラー・屋外用の大型タイプなど、さまざまなサイズが揃っています。
軸流式ファン(プロペラファン)は省電力で動作するため、コストを抑えて大風量を生み出せる効率性の高さがメリットです。
基板用の部品としても活用されており、構造に無駄がなくコンパクトです。静圧は低く、風量が大きい特徴があります。
屋内外で活用されていますが、強風が吹く場所では気圧差が発生するため、効率性が低下するおそれがあります。
高圧が流れる環境には適していないほか、電力の消費量が大きい設備機器への取りつけもコストアップのリスクがあるため、軸流式ファン以外の設備を検討しましょう。
遠心式ファン(シロッコファン)は丸型の枠の中に羽根を取り付けた形状で、風を吸い込んだ部分から90度の方向に吐き出す換気装置です。
羽根が回転するときに生まれる遠心力を使って風を生み出す仕組みで、風を出す向きを限定できることから、特定部位を集中的に冷却したい場合に適しています。
軸流式ファンは風量を増やすと静圧が高くなり、部分的に失速することがあります。遠心式ファンは高い指向性に加えて大きく排気できるので、部品に囲まれている機器の中でも大きな風量で冷却や排気が行えます。
耐久性が高く、ガスや微粒子などが存在する環境においても動作しやすい点もメリットです。
軸流式ファンよりも電力を必要とするほか、ターボ型の場合はノイズ音が気になりやすく、騒音になりやすい点がデメリットです。
軸流式ファンよりも本体価格が高額なものが多く、構造が複雑なものは着脱に手間がかかるため掃除などの手入れがしにくい場合があります。
局所排気装置は有害物質を含む空気を吸い込んで清浄化し、排出する換気装置です。
作業場所の大きさや広さにかかわらず、有害物質を効率的に吸引するために大きなパワーを必要とするため、遠心式ファンが多く用いられています。
局所排気装置は法令で設置が義務づけられているため、作業環境ごとに適した装置を設置する必要があります。
有害因子の発生源、因子の種類にあわせた捕集方法や作業性との関連を検討し、配管や設置場所の広さ、集塵・排気のためのフード・ファンなどの部品や材質の検討を行い、適切な装置を検討してください。
当サイトではおすすめの設置業者をまとめているので、そちらも参考にしてみてください。
それぞれ排気装置の設置場所が違えば、機器の導入の際に検討するべきポイントも変わってきます。ここでは「製造現場」「研究現場」「塗装現場」それぞれの設置場所に合わせて、排気装置メーカー3社をご紹介します。
導入を考えている場所と排気装置の特徴を見比べて、自社に合った排気装置選びの参考になさってください。