自動車整備工場では、アイドリング排気ガスや板金塗装時の有機溶剤ミストが日常的に発生します。従業員の健康被害や近隣クレームを防ぐため、排気装置の導入は欠かせない課題です。
1つ目の課題はアイドリング排気ガスです。車検や点検ではエンジンを稼働させたまま作業する場面が多く、密閉性の高い自動車整備工場内に一酸化炭素や窒素酸化物が充満するリスクがあります。
2つ目は板金塗装時の有機溶剤ミストです。作業者の健康を損なうだけでなく、工場外へ漏れ出ると悪臭や粉塵による近隣クレームを招きます。それぞれの作業エリアに適した排気装置を導入することで、これら2つのリスクを確実に取り除くことができます。
車検・整備エリアでは、マフラーに直接ホースを取り付けて排気ガスを屋外へ排出するシステムが有効です。ドラム巻取り式の排気ホースリールなら、未使用時に作業空間を圧迫しません。
スプリング機構でホースを巻き取る方式で、電気を使用しません。電源工事が不要なためコストを抑えて導入できます。メカニカル式ダンパー内蔵の製品ならホースの昇降に連動してダンパーが開閉し、ファン効率を高められます。軽量で取付けも容易なため、導入ハードルが低い選択肢です。
モーター駆動により、ホースの操作をコントローラーで行えます。有線・無線を選択でき、無線タイプは8台まで同時制御が可能です。LED表示で作動状態を確認でき、ホースの上限・下限もコントローラーで設定できるため、複数車両を並行して扱う工場に適しています。
有機溶剤ミストは工場内への拡散を防ぐことが大前提です。局所排気装置と作業ブースを組み合わせ、発生源でミストを閉じ込めて排出する仕組みが求められます。
有害物質を扱う現場では、法令により局所排気装置やフード・ブースの設置が義務付けられています。発生箇所を覆い、有害ガスを外部へ排出する構造が基本です。導入後も法令に沿った維持管理の継続が事業者の責務となります。
排気ガスを工場外へ出すだけでは、粉塵や悪臭が近隣に拡散し苦情の原因となります。フィルターや排気処理装置を併用して有害成分を低減する対策が不可欠です。法令適合に加え、近隣住民の生活環境への配慮も求められます。
自動車整備工場の排気装置は、アイドリング排気ガスと有機溶剤ミストの2つのリスクに対処する設備です。整備エリアにはスプリング式・電動式の排気ホースリール、塗装エリアには局所排気装置とブースの組み合わせが有効です。
従業員の健康保護と近隣トラブルの回避には、工場の作業内容に合った装置選定が欠かせません。専門的な知見が必要な場面も多いため、まずは排気装置メーカーへ相談してみてはいかがでしょうか。
それぞれ排気装置の設置場所が違えば、機器の導入の際に検討するべきポイントも変わってきます。ここでは「製造現場」「研究現場」「塗装現場」それぞれの設置場所に合わせて、排気装置メーカー3社をご紹介します。
導入を考えている場所と排気装置の特徴を見比べて、自社に合った排気装置選びの参考になさってください。