ここでは、清浄化された空気を排気する局所排気装置と、発散防止抑制措置の違いを紹介します。
発散防止抑制措置とは、有機溶剤を吸着して分解し、その濃度を下げる装置です。
有機溶剤の蒸気が拡散すると健康被害や環境汚染につながることから、有機溶剤が含まれる空気や蒸気に対して気流の改善や冷却を行います。
装置は「局所排気以外のもの」に分類され、窓や排気装置の設置が難しい場所にも設置できるように、2012年の改正省令とその通達(厚生労働省発基安0327第1号)によって定められました。
2012年3月に発行された厚生労働省発基安0327第1号通達では、局所排気装置が設置できない環境について、第2種有機溶剤や特定化学物質第2類物質等の取り扱いといった一定の要件を満たす場合において、発散防止抑制装置の設置が認められました。
装置は2層以上のフィルターを搭載したもので、申請した物質を検知するセンサーなどが備えられているものです。局所排気装置と異なり制御風速の規定はありませんが、装置を設置したあと「特例実施許可申請」を申請しなければなりません(第2種有機溶剤や特定化学物質第2類物質等を取り扱う場合)。
局所排気装置は有機溶剤や特定化学物質を扱う環境下で設置が義務づけられている装置です。
給気口・ダクト・空気清浄装置・排風機(ファン)・排気ダクト・排気口・フードなどから構成され、作業者がガスや有害物質を吸い込まないように、吸気口を設けて内部で清浄化し、きれいな空気のみを屋外に排出します。
製品によっては「ドラフトチャンバー(ヒュームフード)」とも呼ばれています。ドラフトチャンバーは有害物質を発生源で捕らえる囲い式の局所排気装置です。
発散防止抑制装置は屋外への排気設備を持たない装置を指します。排気設備が搭載されていないため、「ダクトレス」という名称がつけられている製品が多くみられます。
発散防止抑制装置の特長は以下の3点です。
局所排気装置と同じく、発散防止抑制装置にも内部に空気を清浄化するフィルターなどが組み込まれています。屋外に排気をしないため、壁への穴あけやダクトの取り付け工事は不要です。
発散防止抑制装置は、局所排気装置が設置できない環境でも有害物質の拡散を防止できます。一定の要件を満たしている必要がありますが、ダクトの工事やメンテナンスが不要なため、低コストで導入できる設備です。
作業者の健康被害を予防するための設備として、ぜひ設置を検討してみてはいかがでしょうか。
当サイトではおすすめの設置業者をまとめているので、そちらも参考にしてみてください。
それぞれ排気装置の設置場所が違えば、機器の導入の際に検討するべきポイントも変わってきます。ここでは「製造現場」「研究現場」「塗装現場」それぞれの設置場所に合わせて、排気装置メーカー3社をご紹介します。
導入を考えている場所と排気装置の特徴を見比べて、自社に合った排気装置選びの参考になさってください。