局所排気装置は、塗料や洗浄剤など幅広い目的に活用されるトルエンの拡散を防ぎ、作業者や作業環境を適切に維持するために用いられている装置です。ここでは、トルエンの特性や取り扱う際の注意点、局所排気装置を使った対策のポイントについて紹介します。
トルエンは、無色透明かつ特徴的な香りをもつ、揮発性・可燃性の芳香族炭化水素です。空気より重い蒸気が発生し、低い場所に滞留しやすい特徴があるほか、有機溶媒や油類に溶ける性質をもっています。吸入すると中枢神経系の抑制による頭痛やめまいを引き起こし、長期的な曝露によって肝臓や腎臓といった主要な臓器機能の低下を招きます。
厚生労働省の情報によれば、トルエンにはヒトへの薬物依存性があるほか、難聴や視野狭窄といった五感への影響もみられます。廃棄処理については地方自治体の基準に沿い、危険物として適切に管理しなければなりません。
参照元:厚生労働省「トルエン - 化学物質」(https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/0045.html)
トルエンは、塗料・印刷用のインク・接着剤・希釈溶剤・脱脂洗浄剤などに使用されている物質です。塗装工場や印刷所、家具の製造工場といった溶剤を使用する環境のほか、樹脂・爆薬・染料などを取り扱う化学工業では、原料や反応溶媒に利用されています。
さまざまな製品の製造・作業工程で発生するほか、燃料にも少量のトルエンが含まれているため、ガソリンスタンドや排ガスが発生する場所にも存在します。
トルエンは可燃性であり有害性が高い物質です。取り扱い時には十分に換気を行い、高温環境や火気のない状態を維持しなければなりません。作業者は蒸気との接触・曝露を避けるため、保護メガネ・耐溶剤手袋・有機ガス用防毒マスクを着用し、火気厳禁にて取り扱います。
作業環境だけではなく、換気が不足している密閉空間でも有害濃度に達するおそれがあります。たとえば、排ガスを十分に換気せずに車庫などの閉鎖空間で作業すると危険なため、十分な注意が必要です。
保管の際は直射日光と高温を避けて、密閉容器に入れて冷暗所で取り扱います。作業環境ではトルエン濃度の測定を定期的に実施し、作業者には教育訓練を通じて安全対策を徹底しましょう。
トルエンは揮発性が高い物質のため、空気中へ拡散し吸入することで中枢神経系などへの健康被害をもたらします。そのため、発生源での捕集が重要です。
局所排気装置の種類としては、揮発性の有機溶剤を用いた作業環境では全囲い式のドラフトチャンバーが適しています。他にも、発生源の上部・側面で吸引するフード(囲い式・外付け式)が選択肢となります。
局所排気装置は、トルエンを効率的に吸引・除去します。作業者の健康を守り、作業環境を適切に維持するためにも、作業内容や環境に合わせた対策が不可欠です。トルエンが発生する環境では定期的な測定とともに、効率的に吸引・除去できる装置を選びましょう。
当サイトでは、排気装置メーカーごとに製品情報を掲載しています。実際の設置事例や基礎知識も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
それぞれ排気装置の設置場所が違えば、機器の導入の際に検討するべきポイントも変わってきます。ここでは「製造現場」「研究現場」「塗装現場」それぞれの設置場所に合わせて、排気装置メーカー3社をご紹介します。
導入を考えている場所と排気装置の特徴を見比べて、自社に合った排気装置選びの参考になさってください。