ここでは、爆発性粉塵用の集塵機について、爆発性粉塵の定義・性質・危険性などを踏まえて、実際の製品例を紹介します。
爆発性粉塵とは、酸化反応などの一定の条件下で爆発の可能性がある粉塵のことです。粉塵は繊維や炭素など燃えやすい物質で構成されるものが多く、粒径が小さくなるほど酸素と接触する機会が増えるため、爆発性の粉塵が発生する作業環境では集塵機による吸引が必要です。
酸素と反応(酸化反応)して燃焼する可燃性のある物質が粉塵として空気中に分散すると、エネルギー源となる熱や火花の接触・引火により点火して爆発する危険性があります。一例として、摩擦によって発生した火花や機械設備のオーバーヒートなどが点火源となります。
爆発性粉塵は、粉塵爆発と呼ばれる災害を引き起こす恐れがあります。粉塵爆発は、初期の爆発によって粉体が巻き上がり、爆発火災が伝わって二次、三次爆発と連鎖的に爆発が起こる災害です。結果として爆発の規模と威力が大きくなり、その場にいる作業者や機械設備に大きな被害が出る可能性があります。
可燃性の粉塵を扱う環境では、エネルギー源となる火花などに接触しないように危険性を十分認識し、対策をとらなくてはなりません。粉塵の原因や性質を見定めて、性状がわからない粉塵については爆発性試験を実施します。
着火源の管理も厳重に行い、防爆タイプの機械設備を導入するか、集塵機を使用して空気中に粉塵が浮遊しないように管理しましょう。作業環境内で喫煙や火花の散る作業を実施しない(または一定以上離れる)といった対策も有効です。
粉塵爆発の着火源となる静電気や火花の発生を抑えるための帯電防止フィルターや帯電防止塗料の採用、爆発圧力放散口や逆止弁付き吸込口の搭載などが特長の集塵機です。穀物粉や切削加工によって発生する金属粉などに対応し、屋内型・屋外型から選べます。レーザーマーキングやレーザー溶接作業で発生するヒュームの捕集に対応したもの、可搬式でコンパクトなタイプもあります。
粉塵爆発の危険がある粉体に対応した集塵機の事例です。爆発性・可燃性粉体の集塵に対応したモデルは、アルミニウム・チタン・コーンスターチ・エポキシ樹脂・微粉炭などに対応。爆発圧力放散口・逆止弁・消火口・防塵電装ボックスを搭載し、爆風から作業者を守りながら、安全に消火作業を実施します。
パルスジェットを採用し、圧縮エアーによってフィルターをクリーニングするモデルのほか、湿式集塵機としてマグネシウム合金粉体専用のスクラバーも選べます。
爆発性粉塵は、大規模な粉塵爆発を引き起こす恐れがあるため、可燃性の粉塵を扱う環境では集塵機による対策が有効です。作業場における適切な対策として、着火源の取り扱いや作業者への危険性の周知が挙げられますが、粉塵の種類に適した集塵機の導入も検討してみてはいかがでしょうか。
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