ここでは、集塵機に取り付けるバグフィルターの特徴や仕組み、製品事例について紹介します。
バグフィルターは、工場の製造施設や設備に使用される集塵機、またはその集塵機に搭載されるフィルターのことを指します。
高濃度の粉塵やダストを含む排ガスが発生する環境で、汚れた空気をろ布(フィルターバッグ)に通し、ダストを分離・除去します。
ろ布にはポリエステルやガラス繊維などの素材が使われており、ダストの特性や環境温度に応じて適した素材を選ぶことで、高い精度でダストを捕集できます。
ろ布に粒子が堆積すると通気抵抗が増えるため、定期的に払い落とす必要があります。バグフィルターでは、振動式・逆洗式・パルスジェット式の払い落とし方式がよく組み合わせて使用されます。
バグフィルターの目的は、汚れた空気中のダストを捕集し、汚染物質が大気中に放出されないようにして作業環境や自然環境を保護することです。
排ガスなどの汚染された空気をそのまま排出すると、空気中に汚れが拡散し、作業者や周辺住民に健康被害を与える恐れがあります。そのため、バグフィルターを使用して環境汚染のリスクを減らし、作業環境を清潔に保ちます。
バグフィルターでは、ろ布と呼ばれる特殊な布をフィルターとして使用します。電気集塵機やサイクロン集塵機とは、集塵の仕組みや捕集対象とするダストの特性に違いがあります。
ダウンフローが必要で、かさ密度の高い付着性粉体の回収に対応したバグフィルターです。
1ボックスあたりフィルター面積が10㎡のモジュール構造となっており、必要なフィルター面積や設置スペースに応じて設計できます。
耐熱温度は標準仕様で80℃まで対応しています。フィルター交換は外側から行える安全設計です。
参照元:アマノ株式会社(https://www.amano.co.jp/kankyo/product/dc/dc_l/si.html)
工場の作業環境に対応した大型のバグフィルターです。パルスジェット機能を搭載しており、捕集したダストを効率的に払い落とします。導入事例として、金属の溶解炉から発生するヒュームの回収用に設計されました。
フィルターへのダメージを軽減するため、サイクロン分離器を取り付け、火の粉を消すためのデミスターボックスを搭載しています。
参照元:日本精密株式会社(https://www.ns-atomic.jp/products/products-04.html)
粉体プラント向けに設計された集塵用バグフィルターです。局所集塵や一般空気輸送、真空空気輸送などの用途に対応しています。
導入事例として、食品やケミカルなどの現場にステンレス製や高真空に対応した機種が設置されています。
参照元:アイシン産業株式会社(https://www.aishin-sangyo.co.jp/products/10-087.html)
バグフィルターは、高濃度の粉塵を含む空気を清浄化するために使用される装置です。集塵の対象や環境に応じて、適切なろ布の素材や集塵性能、払い落とし方式を選ぶことが重要です。
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