ここでは、集塵機の種類とそれぞれの特徴について紹介します。
重力式集塵機は、空気中の粉塵を自然沈降で除去する装置です。粉塵を取り込み、重力による自然沈降で汚れを分離して内部に蓄積します。大きな気流を発生させる必要はありませんが、装置の容積は大きくする必要があります。100μm以上の粒子に有効で、予備的な集塵や一次処理に使用されます。
慣性力集塵機は、内部で気流の向きを変えて粒子に慣性の力を与え、空気中から分離する装置です。粒子は気流の変化に対して直進を続けるため、分離後に集塵機内に蓄積します。分離方式には、ガスを板に衝突させる方法と、ガス流の方向転換による方法があります。
サイクロン式集塵機は、装置内で発生させた遠心力によって粉塵や微粒子を分離する装置です。汚れを含む空気を吸引し、旋回によって汚れを装置内に溜め、清浄化された空気だけをフィルターから外部に排出します。省スペースかつ効率的で、工場や作業場の粉塵が多い環境に適した装置です。
電気集塵機は、ダストに含まれる微粒子に電荷を与えて、集塵極に集める装置です。装置内部の放電極と集塵極の間に高圧電流を流し、イオン化した微粒子を静電引力で集塵極に引き寄せます。湿式では水洗い、乾式ではブラシや槌打でダストを取り除く必要があります。
バグフィルターは、工場の製造施設で使用される集塵機の一種です。高濃度の粉塵やダストを含む排ガスをろ布(フィルターバッグ)で分離・除去します。ろ布にはポリエステルやガラス繊維などの素材が使われており、ダストの特性や環境温度に合わせて適切な素材を選ぶことで、高精度な捕集が可能です。通気抵抗が増えたろ布は、振動式・逆洗式・パルスジェット式の払い落とし方式で定期的に清掃されます。
スクラバーは、工場施設から排出される有害な排ガスを処理して清浄な空気を放出する装置です。水洗い・薬液による中和処理・吸着によって、酸性ガスなどを除去します。スクラバーの種類や設置方法はさまざまで、排ガスの種類や法令に応じて適切な装置を選ぶことが大切です。
集塵機は、電気や慣性といった力を使って汚れを集めて取り除く装置です。工場や作業場で使用され、環境に合わせて導入されています。
集塵装置にはそれぞれメリットとデメリットがあり、導入によって得られる効果も異なります。効率的に空気を清浄化するためには、除去したい汚れの種類や粒径、設置場所に合わせたものを選ぶことが大切です。
適切な集塵機を導入することで、空気中に漂う微細な粉塵や有害物質を除去し、作業環境の清浄化と安全性が向上します。機械製品の品質保持や作業者の健康を守るためにも、用途・目的に合う集塵機の導入を検討しましょう。
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それぞれ排気装置の設置場所が違えば、機器の導入の際に検討するべきポイントも変わってきます。ここでは「製造現場」「研究現場」「塗装現場」それぞれの設置場所に合わせて、排気装置メーカー3社をご紹介します。
導入を考えている場所と排気装置の特徴を見比べて、自社に合った排気装置選びの参考になさってください。