本記事では、局所排気装置の設置計画と、計画時の注意点について解説します。
局所排気装置を設置する際には、まず有害物質や粉じんの発生源を正確に特定する必要があります。そのためには、作業工程を確認し、どの作業がどのような有害物質を発生させているのかを把握することが重要です。
排気装置の種類は、作業内容に応じて選ばれます。例えば、有機溶剤や粉じんの種類によって、囲い式フードや外付け式フードを選ぶという具合です。発生源に近い位置に設置し、有害物質を効率よく吸引できる配置にする必要があります。
次に、排気装置の設置場所を決定します。作業効率や作業環境を考慮し、発生源にできるだけ近い位置にフードを設けることがポイントです。また、ダクトの配置を最小限に抑え、圧損を減らすようにします。排気口の設置場所も、屋外へ排気できる位置に設置することが求められます。
装置の性能を十分に発揮させるために、必要な排風量を計算します。発生源の特性を考慮した捕捉風速や制御風速を基に、必要な風量を算出します。
局所排気装置を効率的に運用するためには、制御風速(捕集風速)を適切に設定することが重要です。制御風速とは有害物質を吸引するために必要な風速で、発生源からの有害物質を効率的に捕集できるよう設計されます。適切な風速は、通常0.3~0.5m/s程度とされていますが、作業内容や発生物質により調整が必要です。
排気装置の制御風速について、以下のページで詳しく解説しています。こちらもぜひ参考にしてください。
局所排気装置の圧力損失を抑える設計が求められます。圧力損失はダクトやフィルターなどの部品を通過する際に生じる抵抗のことで、圧力損失が大きすぎると排気効率が低下し、エネルギー消費が増加します。圧力損失を計算し、用途に応じたサイズと設計を選ぶことが求められるでしょう。
局所排気装置を適切に機能させるために、必要な排気量を確定しましょう。排気量は、作業環境の大きさ、作業内容、発生する有害物質の量に基づいて風量を決定します。風量が不十分だと、有害物質を十分に捕集できないおそれがあるため、留意が必要です。
排気装置は、発生源にできるだけ近い位置に設置するのがポイントです。適切な場所に設置することで、有害物質の吸引効率が高まり、作業環境の維持に役立ちます。また、排気口の位置も外部に設け、排気が逆流しない工夫も求められます。
設置後に局所排気装置の機能を保持するために、装置の定期的な点検とメンテナンスが重要です。定期的に行うことで、局所排気装置が常に適切な性能を発揮して、作業環境の維持につながります。
局所排気装置を効果的に運用するためには、十分に計画を立てたうえで設置に取り組むことが大切です。本記事を参考にしながら、設置に向けた準備を着実に進めていきましょう。
当サイトでは、排気装置メーカーごとに製品情報を掲載しています。実際の設置事例や基礎知識も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
それぞれ排気装置の設置場所が違えば、機器の導入の際に検討するべきポイントも変わってきます。ここでは「製造現場」「研究現場」「塗装現場」それぞれの設置場所に合わせて、排気装置メーカー3社をご紹介します。
導入を考えている場所と排気装置の特徴を見比べて、自社に合った排気装置選びの参考になさってください。