ここでは、集塵機の騒音対策について、原因や対策のポイント、実際の事例を紹介しています。
集塵機が作動すると、ファンの回転音やパルスジェット音(フィルターに付着した塵を落とすためのエアー噴射)が発生します。空気を勢いよく吸い込むための動作であり、大型の集塵機ほど騒音レベルが高くなります。
通常の動作時以外では、異常が発生したときにも大きな音が出る場合があります。一例として、集塵によって回転部に異物が入り込み、ファンの回転音やパルスジェット音と異音が重なることで、騒音がひどくなるケースです。
軸受などの部品の損傷により、振動が発生して異音につながっているケースもあります。通常の運転音と異なる異音が聞こえたときは、原因を特定し対処することが大切です。
集塵機は、吸い込んだ空気を外に出す排気用ダクトと接続しています。排気音自体が騒音となる場合と、本体で発生した騒音がダクトを通ることで反響し、騒音になる場合が考えられます。
集塵機の周りに防音パネルなどを取り付けることで、騒音が周囲に広がりにくくなります。ただ、音を遮るだけでは騒音を防ぎきれない場合があるため、防音パネルは遮音性と吸音性のどちらも備えているのが理想的です。大型の集塵機に対しては大型の防音パネルを取り付ける必要があるため、軽量で持ち運びや解体がしやすいものを選びましょう。
集塵機は適切なタイミングでのメンテナンスによって、異常な動作の発生や故障のリスクを減らすことが大切です。万が一異音が発生したときには運転を停止して、フィルターの目詰まりや部品の異常がないか原因を特定しましょう。メーカーに修理や部品交換などを依頼することで、異音を解消できる可能性が高まります。
可能であれば、騒音が少ない設備に交換したり設置場所を変更したりする方法も有効です。一例として、大型の古い集塵機からコンパクトで高性能な静音式の集塵機に変更することで、設置場所を変更せずに集塵の騒音を減らせます。
敷地境界線での騒音を低減させるために、現地調査と騒音測定を実施し、騒音対策用のパネルを設置した事例です。鋼板の3分の1以下と軽量な防音パネルを集塵機の周りに使用し、それまでの56dBから50dBへと6dBの騒音低減効果が得られました。
参照元:岐阜プラスチック工業株式会社(https://teccell.co.jp/saint/case/fan-2/)
バグフィルタ集塵機から発生する騒音が気になり、敷地境界線付近の条件をクリアするために、サイレンサーを搭載した事例です。定期的なメンテナンスを怠っていたため、集塵機が劣化し、騒音を発生していました。そこで、騒音発生源の周囲にサイレンサーを搭載するとともに、ケースで機械全体を囲って防音対策を強化し、騒音基準をクリアしました。
参照元:集塵装置株式会社(https://www.ducoll.co.jp/works/510/)
集塵機は、大容量の空気を吸い込んで塵などをフィルターに吸引する機器です。ファンやパルスジェットなどが作動することで騒音が発生すると、作業者同士の会話が聞き取りづらくなったりします。騒音対策には防音効果の高いパネルの設置や、集塵機の適切なメンテナンスが必要です。集塵機の種類に合わせて防音対策を施しながら、機器自体の清掃や点検を実施することが大切です。
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それぞれ排気装置の設置場所が違えば、機器の導入の際に検討するべきポイントも変わってきます。ここでは「製造現場」「研究現場」「塗装現場」それぞれの設置場所に合わせて、排気装置メーカー3社をご紹介します。
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