塵やホコリ、粉じんといった物質が浮遊する空気をきれいにする集塵機には、電気の力で浮遊物質を捕集するものがあります。ここでは、電気集塵機の仕組みと種類、メリットやデメリットについて解説しています。
電気集塵機は、ダストの微粒子に電荷を与えて、集塵極と呼ばれる部分に微粒子を集める装置です。
装置の中には集塵極とともに放電極と呼ばれる部分があり、2つの極のあいだに直流の高圧電流を流して、それぞれの部位に電荷を付加しています。
マイナスの電荷をもったイオンが、空気中にあるダストの微粒子と結びつきます。こうして、ダストは静電引力によってプラス側の集塵極に引き付けられていきます。
この作業を繰り返すことで、集塵極にはダストが堆積します。湿式の集塵機では水洗いによる処理を行い、乾式ではブラシや槌打を使って取り除きます。
湿式電気集塵機は、吸引口から取り込んだダストの粒子にマイナスの電荷を付与し、プラスの集塵極に引き寄せて汚れを取り除く装置です。
排気口からはダストが取り除かれたきれいな空気だけが出ていき、集塵極に集まったダストは水をかけて洗浄し取り除きます。
湿式のため、湿っている粉じんや汚れ、ゴミにも対応しています。乾式と両用できるタイプのものは空気中を漂う乾いた粉じんも除去できます。
乾式電気集塵機は、ダスト・ヒュームといった粒子を静電気力で捕集する集塵機です。
マイナスの電荷を付与したダストがプラスの集塵極に集められ、捕集されたあとは叩き落とします。湿式のように水で洗い流すことはできませんが、水処理のための設備が不要なため取り扱いが容易です。
また、乾式でも水分を含んだ汚れ(ガス・ヒューム・ミストなど)は高効率で集塵できます。
電気集塵機の使用によって、0.01μm以下の粒子まで捕集することができます。通常の空気清浄機では捕集不可能な汚れを集められるため、常時空気を清潔にしなければならない工場や作業場で活用できます。
「バグフィルター」と呼ばれるろ過式集塵機はダストが残存するおそれがありますが、電気集塵機ならバグフィルターよりも多く粉じんを集められるため、集塵装置としても高性能です。
湿式の電気集塵機は処理に水を使用するため、部品の錆びつきやランニングコストがかさむといった問題があります。
乾式の電気集塵機は、湿式のように水分を含むダストに対応していないものもあるため、複数種類のダストが存在する空間には湿式・乾式両用の集塵機を使用する必要があります。
電気集塵機は電気の力で細かな粒子を捕集する装置です。比較的大きな塵・ホコリはもちろん、ガスやヒュームにも対応できる集塵機なら、作業空間をきれいに保ち、労働環境や公害の対策にも活用できるでしょう。
当サイトではおすすめの設置業者をまとめているので、そちらも参考にしてみてください。
それぞれ排気装置の設置場所が違えば、機器の導入の際に検討するべきポイントも変わってきます。ここでは「製造現場」「研究現場」「塗装現場」それぞれの設置場所に合わせて、排気装置メーカー3社をご紹介します。
導入を考えている場所と排気装置の特徴を見比べて、自社に合った排気装置選びの参考になさってください。