ここでは、排気装置に取り付ける活性炭フィルターの特徴や役割、実例について紹介します。
活性炭フィルターとは、石炭や木炭を1,000度近い高温によって炭化させ、化学的または物理的処理を施して吸着効果を高めた「活性炭」を使用したフィルターです。
活性炭にする過程で炭の穴がさらに微細になり、有害物質の吸着効率が高まります。そのため、空気中に浮遊する有機溶剤やホコリなどを効率的に吸着し、きれいになった空気のみを排出できる仕組みです。
排気装置における活性炭フィルターは、排気ダクトが取り付けられない環境やスポット排気にも適用できます。
界面活性剤や臭気物質、揮発性の有機化合物などを効率的に吸着。他の種類のフィルターと組み合わせると、複合ガスにも対応可能です。
新築のオフィスビル内にて、周辺の飲食店から発生する食べものや臭気への対策に活性炭フィルターを使用して臭気対策を行った事例です。
現地調査のうえ、活性炭フィルター脱臭装置を全熱交換器に設置し、大規模工事を避けつつタバコ臭やその他の臭気に対応できるようになりました。
機械検査を行う工場にて、検査機械から硫黄系の臭気が発生しフロア内から苦情が発生していたために、活性炭吸着方式で臭気対策を施した事例です。
調査の結果、臭気の発生源は小規模であったために、臭気の漏洩がない吸引量を計測し装置を設計。発生源をテントで囲い局所排気装置を設置した結果、無臭のレベルまで低減できました。
ある飲料メーカー工場では、住居が混在する地域内にあり周辺住民から排水特有の臭いがするという指摘がありました。そこで、活性炭フィルターを使い臭気対策を実施しました。
厚さ5cmの活性炭フィルターを2つの並列したダクト内に設置し、3方向を囲うカーテンを設けて臭気拡散を防止。汚泥にも凝集剤を添加し、脱水しながら換気を行ったところ、排水に関する苦情がなくなりました。
排気装置内に設置する活性炭フィルターは、さまざまな物質の吸着に活用されています。食料品製造工場内の事例のように、吸着しきれない物質は凝集剤や脱水装置などを組み合わせ、環境に適した方法で臭気対策を行いましょう。
当サイトではおすすめの設置業者をまとめているので、そちらも参考にしてみてください。
それぞれ排気装置の設置場所が違えば、機器の導入の際に検討するべきポイントも変わってきます。ここでは「製造現場」「研究現場」「塗装現場」それぞれの設置場所に合わせて、排気装置メーカー3社をご紹介します。
導入を考えている場所と排気装置の特徴を見比べて、自社に合った排気装置選びの参考になさってください。