プッシュプル換気装置を安全に使用し続けるためには、定期検査が欠かせません。この記事では、その検査内容の概要と、押さえておきたい注意点について解説します。
有機溶剤を扱う作業では、「有機溶剤中毒予防規則」により、局所排気装置やプッシュプル換気装置などの設置が義務付けられています。なかでもプッシュプル換気装置については、年1回の定期自主検査と、月1回の有機溶剤作業主任者による点検が必要です。これらの検査・点検は、装置が規定どおりの性能を維持しているかを確認することを目的としています。
プッシュプル換気装置の定期自主検査は、「有機溶剤中毒予防規則」をはじめ、「鉛中毒予防規則」や「粉じん障害防止規則」など、複数の法令に基づいて義務付けられています。これらの規則は、換気装置が正常に機能し続けることを通じて、有害物質や粉じんによる健康被害を防ぐことを目的としています。定期的な検査を行うことで、作業環境の安全性を確保し、労働者の健康維持にもつながります。
検査項目には、捕集部、ダクト部、ファン、モーター、制御機構などが含まれます。各項目についてスモークテスターや風速計を用いて実際に検査を行い、各項目が基準に適合しているかを確認します。
検査に必要な器具として、次のようなものが使用されます。これらの器具を使い、換気装置の機能や状態を正確に測定します。
プッシュプル換気装置の定期自主検査は、通常年に1回実施することが義務付けられています。定期検査を実施しない場合、労働基準監督署からの是正勧告が発せられることがあります。この是正勧告が無視されると、最終的には罰金やその他の罰則が科される場合もあります。さらに、検査結果の記録保存が義務付けられており、記録を保管していない場合も、是正勧告や罰則の対象となる可能性があります。
検査結果や点検記録は、法律で定められた保存期間(通常は3年程度)にわたって保管する必要があります。記録の未保存や不備がある場合、労働基準監督署から指導を受けることがあるため注意が求められます。
定期的な点検は、換気装置が労働者の作業環境において適切に機能しているかを確認する上で重要です。不具合や故障を早期に発見し、修理やメンテナンスを行うことで、作業環境の管理が適切に行われます。定期自主検査の実施と記録保存は法的な義務であり、違反することで法的な問題につながるおそれがあるため、規則に従って適切に実施することが求められます。
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