実験室における排気装置・換気装置の重要性やどのようなメーカーを選べばよいか、実例とともにご紹介します。低風量のドラフトチャンバーやダクトレスフード、実験台ごとに排気できるフレキシブルフードの事例をぜひご参照ください。
これまでドラフトチャンバーは、大風量で安全性を確保してきましたが、法規の一部改正を受け、排気風量を下げてランニングコストを下げる取り組みが進みました。そこで大手のダルトン社は風量制御技術を開発し、低風量でも安全性の高い装置を作りました。
研究成果を向上させるためにも、封じ込め設備の最適化は必要不可欠です。
日本にダクトレスフードを広めたダルトン社では、コンプライアンスや研究者の働き方に合わせて、ダクト工事不要のダクトレスフードを提案しました。ドラフトチャンバーの完全代替とはなり得ませんが、作業環境の改善やフレキシビリティを向上させる製品として選択肢を増やした形です。
大学の実験室で実験台ごとに排気を行えるように、フレキシブルフードを設置。アーム式の関節部があるので、講義の際には収納して見通しを良くすることができ、実験時には引き出すことで効率的に排気することができます。
こちらはドラフトチャンバーを使用する必要のない危険性の低い実験での排気や局所的な匂いの排気等を行う場合に有効です。
参照元:J-STAGE[PDF](https://www.jstage.jst.go.jp/article/kakyoshi/66/12/66_568/_pdf)
実験室においても、作業者と周囲の健康を守るため、労働安全衛生法「有機溶剤中毒予防規則」に定められている有機溶剤または「特定化学物質障害予防規則」に定められている特定化学物質を使用する場合には、各規則に基づいて局所換気装置等を使用して排気、換気を行わなければなりません。
一般的なドラフトチャンバーは、給気機能がないため、部屋の大きさや設置台数により、給気と排気のバランスを考慮する必要があります。
実験室向けの排気装置には、ドラフトチャンバーでもエアカーテンタイプやVAVタイプ、低風量タイプ、特定用途、卓上、ホルムアルデヒド対策用、ダクトレスフード、フレキシブルフードのほか、バイオハザード対応の安全キャビネットや作業面にHEPAフィルターを通した綺麗な空気を送ることができるクリーンベンチなど、様々な種類があります。
メーカーそれぞれ得意とする装置や取り扱う製品が違うので、導入の際には自社に合った装置を取り扱うメーカーに相談しましょう。
それぞれ排気装置の設置場所が違えば、機器の導入の際に検討するべきポイントも変わってきます。ここでは「製造現場」「研究現場」「塗装現場」それぞれの設置場所に合わせて、排気装置メーカー3社をご紹介します。
導入を考えている場所と排気装置の特徴を見比べて、自社に合った排気装置選びの参考になさってください。