塗装ブースとはその名の通り、塗装作業を行うための仕切られた空間のことを指します。
その構造はフィルターユニットと送風機、排気ダクトで構成されており、有害物質の回収方法によって「乾式ブース」と「湿式ブース」の二種類に分類されます。塗装ブースを使用すると、有害な有機溶剤を含む塗料ミストが飛び散るのを防ぐことができ、作業場以外の場所に塗料が付着するリスクも減らすことができます。
また、塗装ブースには排気機能や塗料の回収機能も備わっているため、有害物質などを適切に処理することができるのも特徴です。
きれいな外気を取り込み、汚れた空気を気流によって排出
きれいな外気を塗装ブースに給気し、塗装によって生じた汚れた空気を、気流によって排気します。気流の風速・風量は規定されており、風速は0.2m/秒、風量はブースの面積に応じて算出されます。
また、有害物質を含む塗料ミストなどは排気され、環境保護の観点で適切に処理されます。
塗装ブースの大きなメリットは、塗料ミストなどの有害物質が飛び散ることを防ぎ、作業場と作業員を守ることができる点です。
また、塗料がほかの作業場や製品に付着するリスクを減らすことができるため、事故の予防にもつながるでしょう。
メンテナンスを怠ると、排気が適切に行われないといったトラブルの原因になります。塗料ミストを適切に吸い込まなかったり、悪臭などの近隣トラブルなどにつながる場合もあるので、定期的なメンテナンスが欠かせません。
また、塗装対象が大きいと、ブースも大がかりなものとなり、導入や設備にコストがかかってしまうところにも注意しましょう。
乾式ブースとは、紙や不織布などのフィルターを使って有害物質を回収する方式の塗装ブースです。メンテナンスの方法としては、フィルターを交換するだけなので、管理が簡単なところが特徴です。
また、構造が単純なため、比較的ローコストで設置できるもの魅力の1つでしょう。
湿式ブースとは、内部が渦巻き構造になっている塗装ブースです。種類としては、水洗ブース、ベンチュリーブース、オイルウォッシュブースなどがあり、乾式ブースよりも、有害物質の捕集効率が高いのが特徴です。
定期的なメンテナンスとして、水槽の水や塗料のヘドロの管理をしっかりと行えば、ローコストで運用することができます。
塗装ブースは大きさや方式によっていくつかの種類があるので、塗装を行う現場に適したものを選ぶことが大切です。
また、作業員の健康などに関わる大切な設備のため、排気性能などが信頼できるメーカーを選びましょう。塗装ブースを導入する際には、専門的な知識に精通した老舗メーカーから選ぶのが良いでしょう。塗装ブースを取り扱う排気装置の老舗メーカーをご紹介しているので、是非チェックしてみてください。
それぞれ排気装置の設置場所が違えば、機器の導入の際に検討するべきポイントも変わってきます。ここでは「製造現場」「研究現場」「塗装現場」それぞれの設置場所に合わせて、排気装置メーカー3社をご紹介します。
導入を考えている場所と排気装置の特徴を見比べて、自社に合った排気装置選びの参考になさってください。