ここでは、作業環境測定における局所排気装置の取り扱いと種類について紹介します。
作業環境測定とは、厚生労働省が定める「労働安全衛生法(安衛法)」で規定されている職場環境の測定ルールです。
労働者が作業環境内で化学物質や騒音などにより健康被害を被らないために、発生する有害物の存在を科学的に評価します。
労働安全衛生法では、粉じんや有機溶剤などを法定回数測定し、記録を保存しなければなりません。「作業環境測定基準」と呼ばれる基準にしたがって測定を行い、指定作業場では作業環境測定士または作業環境測定機関が測定を実施します。
測定の対象となる有害な因子は以下のとおりです。
【作業環境測定の対象因子】
土石・岩石・金属・炭素の粉じんを著しく発散する屋内作業場や、暑熱・寒冷または多湿な屋内作業場など、作業環境測定を行うべき作業場ではそれぞれの関係規則にしたがって測定を行わなくてはなりません。
作業環境測定では、「A測定」「B測定」をそれぞれ実施し、得られた結果からⅠ〜Ⅲの3区分のうち、どこに該当するかを評価し、2つの区分を合わせて管理区分を決定します。
A測定:単位作業場所の中にメッシュを切り、交点でサンプリングする測定方法
B測定:因子の発生源に近い作業など、作業者がもっとも高い濃度で有害な因子にばく露する可能性がある場所でサンプリングする測定方法
【測定結果による管理区分】
区分 | A測定Ⅰ | A測定Ⅱ | A測定Ⅲ |
B測定Ⅰ | 第1管理区分 | 第2管理区分 | 第3管理区分 |
B測定Ⅱ | 第2管理区分 | 第2管理区分 | 第3管理区分 |
B測定Ⅲ | 第3管理区分 | 第3管理区分 | 第3管理区分 |
第1管理区分は作業環境の維持管理が適切と判断されます。第2管理区分は「改善の余地あり」とされる状態であり、第3管理区分は作業環境の維持管理が適切ではないと判断されます。
局所排気装置は、有機溶剤や粉じんなどの有害物を扱う作業環境において設置が義務づけられている機器です。
労働安全衛生法では、「発散抑制措置」として局所排気装置の設置を規定し、装置が設置されている作業場では1年以内に1回の定期自主検査を実施し、結果を記録保存すると定めています。
指定物質に限定せず、有害物質を扱う環境ではばく露防止のために局所排気装置の設置が推奨されています。
局所排気装置は、全体換気装置が設置できない狭い場所などで、作業場内の有害物質を除去するために活用されています。労働安全衛生法に規定された装置です。
測定を行う作業場や対象物質、管理濃度などと併せて規定のルールを確認し、適切に装置を取り扱う必要があります。
当サイトではおすすめの設置業者をまとめているので、そちらも参考にしてみてください。
それぞれ排気装置の設置場所が違えば、機器の導入の際に検討するべきポイントも変わってきます。ここでは「製造現場」「研究現場」「塗装現場」それぞれの設置場所に合わせて、排気装置メーカー3社をご紹介します。
導入を考えている場所と排気装置の特徴を見比べて、自社に合った排気装置選びの参考になさってください。