有機溶剤使用時に用いる排気装置・換気装置の重要性や、どのようなメーカーを選べばよいかを解説。接着作業場の外付け式フード・下方吸引型局所排気、グラビア印刷機作業室のプッシュプル型換気、化学メーカーの排気ファン内蔵の局所排気の実例も紹介します。
接着作業場の有機溶剤対策として、接着作業室に作業台型の外付け式フード・下方吸引型の局所排気装置を、外壁に給気ファンを、そして屋根に局所排気装置用の排気ファンを設置しました。
作業スタイルを替えずに、汚染や拡散を防止し、作業室の溶剤臭をなくし、メンテナンスが簡便で、低騒音、インバータで省電力の環境を作りました。
グラビア印刷機の有機溶剤対策として、印刷作業室にプッシュプル型換気装置と、塗料等保管用に収納ボックス型局排装置、排気ファンを屋外に設置しました。
労働安全衛生法に基づき、作業スタイルを維持しながらもプッシュプル換気型装置で有機溶剤蒸気を吸引し、作業環境の汚染や拡散を防止。さらにメンテナンスも簡便な設備を実現しました。
化学メーカーの局所排気装置対策として、作業性を損なうことなく、発散する有害物質を捕捉吸引できるよう排気ファンを囲い式フード内に内蔵した設計にしました。
労働安全衛生法、有機溶剤中毒予防規則、特定化学物質障害予防規則に適合する仕様であり、労働基準監督署への届出書類も依頼できる会社で、負担を軽減することもできました。
有機溶剤は一般に揮発性が高く、その蒸気を吸うことで体内に吸収されやすく、また油脂に溶けるため皮膚からも吸収される恐れがあり、健康に障害となりえます。
有機溶剤には様々なものがあり、そのうちの54種類を「有機溶剤中毒予防規則」で規制対象とし、12の業務を有機溶剤業務として挙げており、局所排気装置等の設置、定期的な作業環境測定が義務付けられています。
さらに労働安全衛生規則で大気汚染や環境破壊を防ぐため、排気を清浄化することも明記されています。
「有機溶剤中毒予防規則」で規制対象となっている有機溶剤が54種類、有機溶剤業務として12の業務が指定されており、多岐にわたります。それぞれの使用環境に合わせて、最適な排気装置・換気装置が選択できるように、より多くの選択肢や経験、知識を持つメーカーを選ぶことが重要だと言えます。
それぞれ排気装置の設置場所が違えば、機器の導入の際に検討するべきポイントも変わってきます。ここでは「製造現場」「研究現場」「塗装現場」それぞれの設置場所に合わせて、排気装置メーカー3社をご紹介します。
導入を考えている場所と排気装置の特徴を見比べて、自社に合った排気装置選びの参考になさってください。