集塵機とよく似た機器として掃除機があげられます。この記事では、両者の特徴と違いを解説します。
集塵機は、工場などで発生する粉塵などを吸引する機器です。空気中から有害物質を取り除き、工場などの環境ならびに工場などで働く従業員の健康を守ることを主な目的にしています。基本的な仕組みは、粉塵ごと吸いこんだ空気を集塵機内部のフィルターに通して、ここで粉塵だけ吸着し清浄な空気を排出すると説明できるでしょう。
掃除機は、床などに落ちている埃やゴミを吸引する機器です。以上からわかる通り、床などから埃やゴミを取り除き、環境を清潔にすることを主な目的にしています。基本的な仕組みは、床に密着させた吸い口から空気とゴミを吸引して、フィルターなどでろ過すると説明できるでしょう。
集塵機の中には、専用のフィルターを使用することで水や油を吸引できるものがあります。このような製品を選べば、水や水と油の混合物などを吸いとれます。具体的には、水を含んだ木くずなどを吸引することが可能です。もちろん、水掃除にも使用できます。対する掃除機は、基本的に水や水と油の混合物を吸引できません。
集塵機は、基本的に業務用として開発されています。過酷な環境で使用することを想定して金属で作られているものが少なくありません。また、目詰まりしにくいように、フィルター面積を大きくとっています。したがって、掃除機よりも耐久性は高いと考えられます。
集塵機は、空気中に舞い上がった粉塵などを吸引する機器です。したがって、沢山の空気を吸い込めるように設計されています。空気を吸い込む力を風量といいます。集塵機と掃除機を比較すると、風量は前者のほうが強いと考えられます。掃除機は、空気中に舞い上がった粉塵などを吸い込むことを主な目的にしていないからです。
集塵機は、大容量の製品が多く販売されています。業務用集塵機の中には、容量が30L程度のものも存在します。ちなみに、一般的な掃除機の容量は1L程度です。大量の粉塵などが発生する環境には、集塵機が向いているといえるでしょう。ただし、容量が大きい製品は、本体サイズも大きくなってしまいます。
掃除機は、床に落ちているゴミなどを吸い込む機器です。したがって、吸いつく力が強くなるように設計されています。吸いつく力を吸引力といいます。吸引力は、集塵機よりも掃除機のほうが強いと考えられます。床に落ちているゴミを吸い上げなければならないからです。
工場などで使用することを想定している集塵機は、長時間使用を前提としています。したがって、こまめにONとOFFを繰り返すとトラブルが発生しやすくなります。反対に、一般的な掃除機は、長時間の使用に向いていません。
それぞれ排気装置の設置場所が違えば、機器の導入の際に検討するべきポイントも変わってきます。ここでは「製造現場」「研究現場」「塗装現場」それぞれの設置場所に合わせて、排気装置メーカー3社をご紹介します。
導入を考えている場所と排気装置の特徴を見比べて、自社に合った排気装置選びの参考になさってください。