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排気装置はメンテナンス・点検が必須

排気装置のメンテナンスはとても重要です。そもそも局所排気装置には点検が義務付けられており、健康と安全を守るためには必ず点検を実施しなければなりません。ここでは、排気装置にメンテナンスが必要な理由と、メンテナンスの必要性について詳しく解説していきます。

排気装置はなぜメンテナンスが必要?

従業員の健康被害

排気装置のメンテナンスは、従業員の健康を守るためにも必要なものです。排気装置が故障していると有害物質を排出することができず、人体に悪影響を与える恐れがあります。有害物質は呼吸器や皮膚より体の中に吸収され、この状態が長時間続くと、中毒症状を起こしたり、内臓疾患などの健康被害を引き起こす可能性があります。ときには精神障害を起こすこともあるほど、危険なのです。

不良品の生産を防ぐ

排気装置の働きが悪いと、生産環境やその周辺の環境が汚染されてしまいます。汚染された環境下で作業をすると、製品に粉塵やほこりが付着し、不良品の原因にもなりかねません。劣悪な環境では作業員のモチベーションも下がり、作業効率の低下を招く恐れもあるでしょう。

良い製品を生産するためには、良い環境づくりから見直すことが大切です。排気装置のメンテナンスや点検も、大切な業務の一環と言えるでしょう。

環境汚染を防ぐ

事業者は、作業環境の汚染を防ぎ作業者の健康を維持するためにも、排気装置のメンテナンス・点検を実施しなければなりません。労働安全衛生法においては、1年以内に定期自主検査を実施すること、そしてその記録を3年間保管しておくことが義務付けられています。

労働安全衛生法でも検査義務あり

排気装置については、労働安全衛生法でも検査義務があります。

労働安全衛生法が2014年6月に改正され、現在リスクアセスメントの義務化範囲は、674の物質に広がっています。なかでも、特定化学物質、有機溶剤、鉛、粉塵は、個別規則が設けられています。これらの有害物質を取り扱っている場合、作業環境管理・作業管理・健康管理わなければなりません。

1年に一度は点検を行うことが義務付けられており、これらを遵守できなかった場合、50万円以下の罰金が課せられます。

ただし、1年を超える期間使用しない換気装置については、機器の使用再開時に自主検査を実施します。

参照元:労働安全衛生法(https://www.jaish.gr.jp/anzen/hor/hombun/hor1-1/hor1-1-1-m-0.htm)

参照元:粉じん障害防止規則(https://www.jaish.gr.jp/anzen/hor/hombun/hor1-2/hor1-2-37-4-0.htm)

排気装置のメンテナンス内容

使用前・分解や修理をした後の検査内容

初めて排気装置を使用するときや、分解・修理などを行った際には、定められた項目について記録し、3年間保存しなければなりません。

以上6点が、記録しなければならない内容です。

事業者は、作業者の健康維持と現場環境の保全のためにも、点検を必ず実施しなければなりません。

年1回の定期検査内容

設置後には、1年以内の定期検査を実施します。定期自主検査を行った際は、次の項目について記録し、3年間保存する必要があります。

1年を超える期間使用していない場合は、使用再開時に自主検査を実施し、上記について記録しておきます。

検査は「局所排気装置等の定期自主検査者講習」を修了した者が行うのが望ましいとされています。法律上では特に資格は求められていませんが、なかには有資格者でないと検査ができない特定地涌検査もあります。

排気装置をメンテナンスせずに使用し続けるとこうなる

排気装置のメンテンナンスを行わずに使用し続けていると、汚れが付着・蓄積してしまいます。ファンやポンプに汚れが蓄積すると負荷が増加し、機器の劣化を早めます。排気装置の効果・排気効率も低下し、本来の役割を果たせなくなるでしょう。

メンテナンスを行うことで、不具合の早期発見にもつながります。不具合に気づかないまま使用していると、思わぬ事故につながる危険もあります。故障したまま使用すると、有害物質を外の排出する危険もあるでしょう。作業者の健康・安全を守るためにも、メンテナンスは欠かせないのです。

メンテナンスコストに気を取られて正しく点検をしていないと、故障や問題が大きくなってからメンテナンスを行うことになります。手遅れになると修繕にかかる費用も高くなってしまうため、ランニングコスト削減の観点からも、正しくメンテナンスすることが大切です。

定期的なメンテナンスで機械効率の回復、安全の確保、ランニングコストの削減になり、安心して使用を継続できます。

メンテナンスで長く有効活用できる

排気装置はメンテナンスによって、長く有効活用できるものです。不具合によって不良品を生産したり、労災にかかってしまう前に、排気装置は点検してしっかりと正しく活用しましょう。

また、メーカーによっては、既存の排気装置を点検・整備するサービスを行っています。適切なメンテナンスを行うのであれば、一定の知識と技術のある会社に相談してみるのも良いでしょう。

排気装置・集塵機の
主要メーカーリストを見る

【設置場所別】
対応範囲が広い「排気装置」
メーカー3選

それぞれ排気装置の設置場所が違えば、機器の導入の際に検討するべきポイントも変わってきます。ここでは「製造現場」「研究現場」「塗装現場」それぞれの設置場所に合わせて、排気装置メーカー3社をご紹介します。
導入を考えている場所と排気装置の特徴を見比べて、自社に合った排気装置選びの参考になさってください

製造現場など
工場の環境整備空点検まで
全てお任せできる対応範囲の広さ
三陽保安産業
製造現場に強い理由
  • 装置の導入だけでなく工場全体の
    排気環境を整備
  • 新設時に必要な書類提出・自主検査
    まで代行

三陽保安産業の
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研究現場など
ラボ環境の構想やコスト削減も
まとめて相談できる対応範囲の広さ
ダルトン
研究現場に強い理由
  • 清潔さが求められる研究機関の
    製品展開に特化
  • VAVシステムやクリーンブースも用意

ダルトンの
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塗装現場など
様々なタイプの塗装ブースを国内外
問わず依頼できる対応範囲の広さ
アネスト岩田
塗装現場に強い理由
  • ベンチュリブース・特殊ブース
    など複数種類のブースを用意
  • 日本のみならず世界22カ国に
    営業所あり

アネスト岩田の
公式HPを見る

※選定基準:2022年2月調査時点で、「排気装置」とGoogle検索した際にヒットしたポータルサイト(※)に掲載されていた「粉塵や有害物質の排出を目的とした排気装置・集塵機」を取り扱っている22社のうち
①取り扱う排気装置・対応している換気の種類が豊富&導入からサポートまで行う「対応範囲が広い」会社
②排気装置以外の製品の取り扱いや環境全体の構想まで行う「対応範囲が広い」会社
③国内のみならず、海外に複数拠点を持つ「対応範囲が広い」会社 を選定しました。
※参照元:イプロス(https://www.ipros.jp/cg1/排気装置/)
※参照元:メトリー(https://metoree.com/categories/5056/)